世の中には色々な品種の黒米がありますが、この在来の黒米のパワフルで滋養深い味わいは他に類をみませ ん。炊飯器や土鍋で炊いている時の湯気の香りはアジア独特の香りでなんとも言えない懐かしさ。 口に入れた時の鼻から抜ける香りと黒米のプチプチ感は深い味わいは後を引くおいしさです。 

不老長寿のお米とも言われるほど、栄養素が豊富。中国の医学で、滋養強壮作用があるとされ、胃腸、眼の 疲れ、髪などに効果があると言われています。食物繊維や鉄分が豊富でアントシアニンが含まれているので 老化の原因を取り除くと言われています。また、食後の血糖値を抑えるようです。消化が良いので小さなお子様から高齢の方にもおすすめです。 

この黒米との出会いはなんだか不思議だったのです。「とにかく特別な黒米があるから種もみをもらってき てあげるから育てなさい。」と渡されました。背丈は高いし野性味溢れ、収量もびっくりするほど当時は少 なくて。「ちょっと栽培は難しい」とその知り合いに伝えると「いや、この黒米はとにかく特別だから育て なさい。」と(笑) 私たちが譲って頂いた方は、イタリアのスローフード協会よりスロー大賞を受賞された佐賀の武富氏、その武富氏に渡された方が、なんと夫の両親が長年有機農業組合で親交が深かった組合長の叔 父母だったのです。 しかも、数十年も前に黒米を育てるなら有機栽培でやりなさいと指導したのがこの組 合長だったことが判明 したのです。人の縁と黒米の縁が重なった出来事でした。さらにルーツを調べてい くと、伊勢神宮の御神田で栽培され、政府が有色米を禁じた間、「神に捧げるお米」としてこの伊勢神宮で 守られてきたものだったのです。不思議なご縁で私たちの農園にやってきてくれたこの黒米は、今も不思議 な縁を導いてくれているような気がしています。

お好みの量で炊くのが良いのですが、目安としては2~3合に大さじ1杯入れるとお米全体が赤く色づきま す。炊く時は、栄養を損なわないように、白米や玄米を研ぐ最後のとぎ汁の時に黒米を入れて洗い、水を流 します。2時間ほど浸水させると黒米も炊き上がりが柔らかくなります。炊飯器で炊かれる場合、夜にタイ マーでセットしておくと簡単です。 

お米に入れて食べるだけではなく、炊いた黒米ごはんで甘酒を作ったり、黒米だけを水とお砂糖、塩少々で 炊いてココナツミルクをかけて食べるアジアンおしるこも美味しいです。また、フライパンでから炒りする とポップコーンのように弾けますので、それをグラノーラなどにミックスしたりサラダにかけたり用途はい ろいろです。 

 

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